Web業界15年のプロが「10万円でホームページ制作」をするとしたらどうするか、本気で考えてみた。

「10万円でホームページは作れますか?」

ビジネス用のホームページを作るには、正直厳しい予算だと思います。でも、逆に言えば、10万円を使うのであれば、ビジネスでもちゃんと使えるものにしたいと思いますよね。

そこで、Web業界15年の私が予算10万円でホームページを作るとしたら、、、と本気で考えてみました。10万円かけるなら、その分はビジネスで元を取りたいし、将来的にも長く使えるホームページにしたい。

この記事では、厳しい予算制約の中で、最大限にホームページの効果を引き出す戦略と、10万円という予算の可能性について、セミナーっぽくQ&A形式で解説していきます。

10万円の予算で、どの程度のホームページが制作可能なのか?

10万円という制作予算は、業界相場から見ても「格安ホームページ制作」という位置づけになります。一般的なWeb制作会社でホームページを作ると、小さなホームページでも30万以上。なので、10万円の予算は「格安」と言われます。

まず、現実的な依頼先を考えると、以下が挙げられます。

  • 格安ホームページ制作会社
  • 駆け出しのフリーランス

私の経験から、それぞれのメリット・デメリットをお伝えします。

格安HP制作会社に頼んだら、どうなる?

格安ホームページ制作会社は、安く作って利益を確保できる仕組みが整っています。

例えば、多くの場合、以下のような準備があります。

  • 速く、安く、制作するためのテンプレートが完備されている
  • 文章はお客様に、既定のフォーマットで入稿させる
  • 質にはこだわらない、「ホームページを納品する」が最優先

というメリットがありますが、逆に言えば

  • デザインなどはお任せに、修正対応は最低限
  • 集客やリード獲得など、販促成果は出にくい

というデメリットを併せ持つことになります。

格安HP制作会社も営利目的の法人になるので、利益を確保する前提でのビジネスモデルになっています。

駆け出しのフリーランスに頼んだら、どうなる?

会社と違って、フリーランスの方が金額的には安く対応してくれます。それでもホームページ10万円で対応してくれるのは、営業ができない駆け出しのフリーランスに依頼することになります。

最近はWeb制作のスクールが増えたことで「ホームページ制作の実績を作りたい」という駆け出しのWebクリエイターも増えてきました。そういう方に頼む方法もありです。

駆け出しフリーランスにお願いすると、少し待遇も良くなると思います。

  • デザインをゼロから作ってくれる
  • 修正にも柔軟に対応してくれる

人にもよりますが、こういう点は親身です。

しかし一方で、以下のようなケースもあります。

  • 修正しても、イメージ通りにはならない
  • 音信不通になって、案件が途絶える

など、駆け出しならではのリスクもあります。

なので、予算だけでなく「人を見る力」と「一定の妥協点」が発注側に必要になる可能性があります。

重視すべき要素はどれ?デザイン、コンテンツ、SEO対策など、優先順位を教えて!

ホームページを有効に活用するためには、予算を費やすべきはデザインではありません。じつは、コンテンツに費やすべきなのです。

ホームページの成果は、コンテンツに起因する

例えば、YouTubeではチャンネル登録者数を増やすために、ユニークな動画作成に注力します。また、Instagramでは、フォロワーを増やすために、有益な情報発信を行います。

現代は、子供から大人まで、SNSを使って情報を発信する時代です。

つまり、多くの人が、インターフェースへのこだわりを持っていません。興味関心のあるコンテンツとの出会いを大切にしています。

しかし、ホームページ業界はなぜか、インターフェース(デザイン)にお金を費やすのが常識になっています。これはマーケティング観点で言えば、大きなミスリードです。

小さな会社にとっては、ホームページもデザインがどれほど魅力的であっても、ビジネスの足しにはなりません。コンテンツに説得力を盛らせることが重要です。

価値のないホームページを、検索エンジンは相手にしない

社会的信用の低い会社ほど「検索エンジンから集客して経営を安定させたい」という、下心を丸出しにしがち。しかし、社会的信用のないホームページを検索エンジンの上位に上げたらどうなるでしょうか?

検索エンジンの信頼が失墜し、検索ユーザーが離れていきます。

そんなことをGoogle自らがするわけがありません。今は、AIによって、人間よりもはるかに高い精度でホームページの質を見分けることができるのです。

つまり、検索エンジン集客を考えるフェーズは、ホームページの質を上げてからになります。しかし、検索エンジン集客もなるべく早く実現できるように「WordPress」など、検索エンジンとの相性がいいシステムを使用して、ホームページを作っておくことが、最も効果的です。

低予算でも投資対効果を実感するには、どういうホームページが理想?

ホームページというと、経営者は同じものをイメージします。TOPページ、サービス情報、実績など、、いわゆる「THE・ホームページ」を買おうとします。しかし、少ない予算で投資対効果を得たいなら、制作対象を絞らなくてはなりません。

なぜなら、説得力に欠けることになるからです。

まずは、必要なページのみを作ることに予算の使い道を絞ります。

  • 代表プロフィール
  • 会社概要(理念、会社情報)

最初の10万円では、上記のいずれか1ページを作ることに専念します。なぜなら、これらのページは「ビジネスへの信頼を得る」ために、絶対に伝えなければならない情報だからです。

代表プロフィールがなぜ必要?

ビジネスをする際には、多くの場合が「人との繋がり(紹介など)でビジネスをする」ことになります。

  • 交流会へ参加する
  • 知人やお客様からの紹介

こうした形でビジネスをやるならば、あなたは必ず「自己紹介」をすることになります。

代表プロフィールがあることで、商談相手は、あなたのことを事前に知っている状況になります。あなたのことを知って商談に来てくれるなら、商談内での自己紹介は不要です。サービス説明やクロージングに時間を費やせます。

また、あなたがどういうキャリアを持っていて、何の専門家であるかを分かると、自然とあなたのサービスにも信頼を持ってくれます。そのため、紹介でビジネスをしているのなら、代表者プロフィールは必要不可欠な情報となります。

会社概要がなぜ必要?

代表プロフィールと同様に、会社概要はビジネスのあらゆる場で必要となります。

企業として、法的な手続きや、業務手続きをする際には、ホームページ(=会社概要)の提示が必要になるからです。

また、企業理念(ビジョン、ミッション、バリュー)などもあわせて掲げておくことで、理念に共感してくれる人が集まりやすくなります。

つまり、会社概要があるのとないのとでは、ビジネスにおける様々な手続きがスムーズに進むようになります。

10万円の予算の場合、何に、いくら使うのか、具体的な配分を教えて下さい。

ホームページの制作予算が10万円ですが、格安HP制作会社やフリーランスのデザイナーに依頼をすると、10万円で「インターフェース(外側)」を発注することになります。しかし、前述した通り、ホームページをビジネスの中で使うには「コンテンツ(中身)」に発注すべきです。

そのため、自作することを推奨します。

もし、私が10万円でホームページを作るなら、以下のような予算で行います。

  • WordPressテーマの購入|20,000円~40,000円
  • WordPressの構築サポート依頼|10,000~30,000円
  • 代表プロフィールの執筆代行|20,000円~40,000円

WordPressテーマの購入

テーマとは、デザインテンプレートのことです。WordPressというシステムに、テーマというお洋服を着せることで、ホームページとして見れるようになります。

WordPressテーマには、有料から無料のものもありますが、法人の企業サイトで使用するならば、有料のWordPressテーマがおすすめです。

ぜひ、こちらの記事も参考にしてください。

参考|【有料+無料】プロが選ぶ、企業サイトWordPress(ワードプレス)テーマ18選

また、私たちが提案しております「アセットコンバージョン」というWordPressテーマは、検索エンジン集客に強いWordPressテーマとして、地域密着で事業をされている方に選ばれています。

後々、検索エンジン集客を考えるのでしたら、当テーマをご利用いただくことを推奨します。

WordPressの構築サポート依頼

WordPressを使う際には、ドメインの契約やサーバの契約が必要です。

いずれも知っている人なら問題ないですが、契約した経験のない方にとっては、なんのことかサッパリだと思います。

そのため、マンツーマンのサポートを依頼すると安心です。

フリーランスがビジネスを発信している ココナラタイムチケット などで、指導を依頼することができます。

私たちも ホームページ新設サポート と称して、4回のミーティングでWordPressを使ったホームページを、自分で作れるように支援をしています。

代表プロフィールの執筆代行

そして、もっとも大切なのが、代表者プロフィールを執筆すること。

もちろん、自身で書くことも可能ですが、あなたへの信用を勝ち取る重要なコンテンツです。ぜひプロのライターに依頼してください。

例えば、私のプロフィールは以下のような内容です。

参考|大山典克のプロフィール

こういうページがあることで、紹介をもらいやすくなりますし、私のことを知ってもらいやすくなります。

限られた予算の中で、SEO対策やマーケティング効果を最大化するには?

例えば、新人の営業マンが入社したら、会社はどうするべきでしょう?

まずは十分な社員教育をしますよね。

そして、一人前に育てて利益を出せるようにする。

ホームページは、オンライン上で24時間365日働いてくれる営業マン、と言われます。つまり、新人営業マンと同様、ホームページも育てて、利益を生めるようにすることが求められるでしょう。

10万円という予算の中で、その様なマーケティング効果を実感するにはどうしたらいいのでしょうか?

  • SEOに強いWordPressテーマでホームページを作る
  • QRコードを使い、名刺を広告として使う
  • サービス紹介や実績紹介などのページを作る
  • ブログ配信を始め、検索エンジン集客に備える

これらが重要となりますので、説明します。

SEOに強いWordPressテーマでホームページを作る

格安HP制作会社や、フリーランスに依頼すると「SEO対策」のレベルが低くなりがちです。一方、当社の様なSEOに強いWordPressテーマを使ってホームページを作ることで、少ない予算でも検索エンジン集客に有利なホームページになります。

参考|SEOに強いWordPressテーマに!!ページスピードインサイト「90点以上」にしました。

QRコードを使い、名刺を広告として使う

マーケティング予算が少ないため、最初はSEOや広告での認知獲得はできません。そこで「名刺にホームページのQRコードを貼って配る」という認知活動を行います。

経営者なら、皆、名刺をもって、交流会などにも参加すると思います。そうした人が集まる場で、自社のPRをするために、QRコードが役に立ちます。

名刺には書ききれないことも、ホームページには掲載できます。そして、QRコードを読んでもらうだけなら、1分のコミュニケーションでも可能です。沢山名刺をまいて、ホームページによって、貴社の魅力を伝えましょう。

サービス紹介や実績紹介などのページを作る

初期費用10万円では、会社概要と代表プロフィールしかなくてもOK。追ってサービス紹介や実績紹介のページを作ることで、ホームページは「営業資料」としての役割を持ち始めます。

そして、会社への信用、サービスへの信頼が高まり、ホームページがようやく営業マンの様な働きをし始めます。WordPressテーマを使っていれば、ページ更新などは自分でできるので、コンテンツ作成に予算を費やせます。

ブログ配信を始め、検索エンジン集客に備える

ホームページの信用と信頼が高まるほど、検索エンジン集客が容易になっていきます。

WordPressテーマには、ブログ機能がついていることが多いので、積極的な情報発信をしていくことで、検索エンジンからの集客効果を実感できるでしょう。

ブログも自身で書いて、掲載することもできます。ご不安があれば、ブログの執筆の代行依頼をしていただくことで、効果は実感しやすくなるでしょう。

最後に、10万円でのホームページ制作において「避けるべきミス」とは何か?

避けるべきミスは、ホームページデザイン(インターフェースの発注)で10万円を使ってしまうこと。これはもったいないミスです。しっかり投資対効果を実感したいなら「ホームページは自作して費用を抑える」そして「コンテンツに予算を費やす」が重要となります。

ここまでの話を振り返りながら、今一度解説します。

10万円という予算なら、ホームページのすべてを作ることは避けましょう。なぜなら、ホームページの質を保てず、ゼロから作り直すことになるからです。予算が10万円なら、制作するのは「代表プロフィール」あるいは「会社概要」など、ビジネスの中で使うことが多い情報ページのみです。

そして、ホームページの構築は外注せず、SEOに強いWordPressテーマをおすすめします。私たちが開発したSEO評価の高いWordPressテーマ「アセットコンバージョン」も候補として検討いただければ幸いです。ドメインやサーバの知識がない方も、マンツーマンでのサポートが可能です。

  • WordPressテーマ購入:2-3万円
  • WordPress構築サポート:1-3万円
  • 代表プロフィール執筆代行:2-4万円

このくらいの予算で、ホームページマーケティングは十分に可能です。

決して「お金をたくさん使ったから成功する」とは考えないでくださいね。

執筆者:大山のりよし

1980年9月28日生まれ。28歳から大手企業での制作、マーケティングディレクションに携わる。ベンチャー企業にて、メディア事業の立上から制作ディレクション、ライティング、SEOを先導して行い、2019年株式会社WINQを創業。2024年Kindleにて「ローカルSEOのすべて」を出版。

  • キーワードマーケティング歴15年
  • 300万個以上のキーワードの効果を分析
  • 美容業界で月300件の成果獲得
  • 元・国内トップアフィリエイター
  • アセットコンバージョン開発者

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