MEO、SEO、ローカルSEOの概要は以下のとおりです。
- MEO:Googleマップ内での上位化
- SEO:自然検索エンジンでの上位化
- ローカルSEO:地名検索に限定した上位化
すべて「Google検索の上位に出す」という点で同じに見えますが、じつはまったく異なる施策です。特徴も、用途も、効果も、費用も、すべて違います。
では「あなたにベストな施策はどれか」がわかるように解説していきます。
執筆者:大山のりよし
1980年9月28日生まれ。28歳から大手企業での制作、マーケティングディレクションに携わる。ベンチャー企業にて、メディア事業の立上から制作ディレクション、ライティング、SEOを先導して行い、2019年株式会社WINQを創業。2024年Kindleにて「ローカルSEOのすべて」を出版。
- キーワードマーケティング歴15年
- 300万個以上のキーワードの効果を分析
- 美容業界で月300件の成果獲得
- 元・国内トップアフィリエイター
- アセットコンバージョン開発者
特徴の違い
はじめに、それぞれの特徴(メリット・デメリット)を解説します。
読み進めていただくなかで「特徴があるからこそ、合うビジネス、合わないビジネスに別れる」ことに気づいていただけると思います。
MEOの特徴
MEOは「マップエンジン最適化(Map Engine Optimization)」と呼ばれ、Googleマップ検索が行われたときに、あなたのGoogleビジネスプロフィール(GBP)を上位表示するための施策です。
主なメリット
- ホームページが不要
- SNS感覚で簡単に発信できる
- 低予算で外注化できる
- 上位化までの期間が短い
主なデメリット
- Googleマップのみの集客になる
- 簡単なので競合もやってる
ホームページとは違い、専門知識は不要です。Googleの審査を通れば、管理画面から簡単に情報発信ができるので、SNS感覚です。しかし、簡単なので競合他社も取り組んでいるところが増えています。
SEOの特徴
SEOは「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」と呼ばれ、自然検索結果でホームページを上位に表示させることです。ローカルSEOとは違って、地域キーワードに限定せず、日本全国の検索ユーザーにアプローチする施策です。
主なメリット
- 日本全国、地域不問の大規模集客
- 大きなリターンが期待できる
- 会社の信頼があがる
- ホームページの説得力があがる
主なデメリット
- 上位化までに長時間を要する
- SEOの専門知識がないとできない
- コンテンツの質を上げる必要がある
- 外注すると高額になる
高リスク、高リターンです。
成功すると大きな集客、大きな売上につながりますが、検索エンジンの進化によって、対策は年々難しくなっており、費用も高額になっていますので、誰もができる施策ではありません。
ローカルSEOの特徴
ローカルSEOは「地名を含んだキーワード」で上位化するための対策です。マップ検索(MEO)、自然検索(SEO)のどちらも対象になりますので、Googleビジネスプロフィールとホームページのどちらも必要です。
主なメリット
- 地域での集客が安定する
- 会社の信頼があがる
- ホームページに説得力がでる
- 上位化までの期間が短い
主なデメリット
- 地域を限定した集客になる
- SEOの知識が必要な場合がある
- コンテンツの質を上げる必要がある
地名で上位に出ると「権威性」や「地域からの信頼」が高まるので、ブランディングや売上に直結します。ただし、競合他社がローカルSEOに力を入れている地域や業界では、SEOの知識が必要になります。
特徴をまとめると、以下のようになります。
項目 | ローカルSEO | MEO | SEO |
---|---|---|---|
拠点 | 必要 | 必要 | 不問 |
GBP | 必要 | 必要 | 不問 |
ホームページ | 必要 | 不問 | 必要 |
費用 | 中 | 低 | 高 |
難易度 | 中 | 低 | 高 |
適する業種の違い
前述した特徴(メリット・デメリット)をもとに、それぞれがどんなビジネスに最適なのかを解説します。
MEOが最適なビジネス
MEOは「近くでよいお店を探す」ためのマップエンジン対策です。口コミだけで購入を判断してくるビジネスとの相性が良いです。低単価のサービスは、わざわざホームページを見なくても、口コミがよければ来店を決意してくれます。
MEOが適するビジネスの条件
- 拠点(店舗、オフィス)を持っている
- 客単価(LTV)が小さい
- 口コミだけ購入を決める
具体的なビジネス(例)
- 飲食店
- 美容室
- 病院(保険診療)
- 整体院
SEOが最適なビジネス
SEOは「日本全国から求めている商品を探す」ための自然検索エンジン対策です。特定の地域で探しているのではないため、日本全国に販売体制を持っているビジネスとの相性が良いです。ただし、キーワードで探すため、キーワードが思い浮かばないと探せません。
SEOが適するビジネスの条件
- 顕在化したキーワードがある
- 全国に販売できるビジネスである
- 客単価(LTV)が大きい
- ホームページを見て購入を検討する
具体的なビジネス(例)
- Webサービス(サブスク型)
- 美容(健康食品、美容機器)
- 金融(キャッシング、クレジットカード)
- 教育(オンラインスクール)
- 生活用品(家具、車)
ローカルSEOが最適なビジネス
ローカルSEOは、拠点を所有するビジネスの中でも「口コミは一つの参考材料、ホームページまで見て決めるサービス」との相性が良いです。高単価のサービスなら、口コミだけで決断せずに、必ずホームページまで見て慎重に検討します。ホームページの対策もすることで、自然検索、マップ検索の両方で上位表示されやすくなります。
SEOが適するビジネスの条件
- 拠点(店舗、オフィス)を持っている
- 客単価(LTV)が大きい
- ホームページを見て購入を検討する
具体的なビジネス(例)
- 士業(税理士、弁護士、社労士)
- リフォーム業(工務店、住宅修理)
- 歯科(インプラント、ホワイトニング)
- 美容サロン(脱毛、ダイエット)
運用の違い
それぞれ「運用にどんな違いがあるか」について話します。できそうならぜひご自身でやっていただき、難しそうでしたら外注化を検討してみてください。
MEOの運用方法
MEOは主にGoogleビジネスプロフィールの口コミの質が上位化のポイントになります。高評価の口コミをいただけるように、そして、悪い口コミには誠実な返信をする。アカウント情報では大きく差をつけることはできません。
基本的な設定、運用
- お店や会社の情報をきちんと揃える
- 写真や動画でよりわかりやすくする
- 自社ウェブサイトへのリンクを設置する
- 最新のお知らせを投稿する
- お客様の満足の声をもらい続ける
SEOの運用方法
SEOでは、ホームページのコンテンツの質と量が上位家のポイントになります。様々なキーワードで上位化を狙っていくため、ブログを使った情報発信を積極的に行わなければなりません。
基本的な設定、運用
- 最重要キーワードはTOPページタイトルに含める
- 会社概要に拠点情報を掲載する
- 見込み客を説得できるページを用意する
- 上位化するキーワードごとに有益なブログを書く
- 余計なプラグインを使用しない
- SEO目的でホームページを運用しない
※Googleビジネスプロフィールは店舗がある場合のみ開設します。
ローカルSEOの運用方法
ローカルSEOでは、Googleビジネスプロフィールの口コミの質と、ホームページのコンテンツの質が上位化のポイントになります。ローカルSEOでは、同一エリアの同業他社のみライバルになるため、ブログなどの運用はしなくても上位化する可能性はあります。
基本的な設定、運用
- 地名と業種をTOPページタイトルに含める
- 会社概要に拠点情報を掲載する
- 見込み客を説得できるページを用意する
- 見込み客の疑問・質問にブログで答える
- 余計なプラグインを使用しない
- SEO目的でホームページを運用しない
※ビジネスプロフィールはMEOと同じことをやります。
外注費の違い
最後に外注費の相場、上位化までの期間の違いをご紹介します。
項目 | ローカルSEO | MEO | SEO |
---|---|---|---|
難易度 | 中 | 低 | 高 |
外注相場 | 月額3万~ | 月額1万~ | 月額10万~ |
期間 | 3ヶ月~ | 3ヶ月~ | 12ヶ月~ |
上記は、あくまで参考になります。
- 法人/個人
- 月額/成果報酬
- 代行/コンサル
など、選択肢はたくさんあります。依頼の仕方によって、予算も調整しやすくなっています。
以上がMEO、SEO、ローカルSEOの違いになります。